研究授業「睡眠について」に参加しました

ある日の出来事・・・


ある日、屋島店でいると、1人の男性が入ってきて、 「お願いがあるのですが」と切り出されました。 

話をお聞きすると、その方はさぬき市(香川県)の小学校の先生で、 今度「眠りについて」という研究授業があるので参加してもらえないか? という。内容でした。 


屋島店を出店したばかりで、結構忙しい時期ではありましたが、 私が訪問したアメリカのベッド専門店でも、地域貢献を大切にしていましたし、 子供たちに私の知っている知識を少しでも伝えることは、私にとっても楽しいことなので、 「私でお役に立てるようでしたら、参加させていただきます。」という返事をさせていただきました。



伝えることのむずかしさ


授業の日(もちろん初めての経験です)が次第に近づくに従い、 子供たちが理解できるように、眠りについて話すにはどのような内容にしたらいいか?ということが、 はじめ考えていたより、結構難しいことに気づいてきました。


子供たちは、買い物に来ているわけではないので、いつものように商品のことを話してもダメ、 小学生ですから、ほとんど寝具のことも知らないかも知れませんし、 大人と違い、マットレスの素材名や、ベッドの形の話もほとんど分からないでしょう。


眠り自体が形の無いものなので、それを見せるわけにもいきません。
「これは、オーダーメイドの原稿を作らないとダメだ」と考え、まとめ上げたのが下記の原稿です。



研究授業 さぬき市立石田小学校(5年生)「睡眠について」

私は、ほぼ3年前からベッド専門店を作り営業しています。ベッドとベッド用品を販売しています。
皆さん、ベッドは知っていますか? ベッドを知っている人は手を上げてください。(全員が手を上げました)


それでは、今、ベッドで寝ている人はどのぐらいいますか?手を上げてみてください。(70%ぐらいが手を上げました)


その他の人は敷き布団で寝ているわけですね。
日本では今、布団で寝ている人とベッドで寝ている人が半分、半分だと云われています。


ベッドとか布団という物は、「寝具」といいますが、それらは、よく眠る為に使う道具ですね。
それから、眠る部屋を「寝室」といいます。これも大きいですが道具だと考えられます。

寝具や寝室は、よく眠る為に使うのですが、どんな事に気をつけて作られているのでしょうか。


君たちは、どんなところで寝るのが良く眠れますか?

また、あんまり狭いところで寝て、身体が動かせないと良く眠れますか?

とてもうるさいところはどうでしょう。
大きな音がしているところで眠るのは、眠りにくいですね。よく眠る為には静かなほうがいいですね。

危ないところはどうでしょう。
ジャングルで寝ていて、トラが襲ってくるかもしれないと思ったら、なかなか安心して眠れないですね。(笑) 眠る為には安心できる所で無いと困りますね。

埃っぽいところや、汚いところはどうですか?清潔なところで眠りたいですね。
人を刺すような虫がいっぱいいるところはどうでしょう。イヤですね?痒くなったりしたら眠れません。

気持ちよく眠るのはなかなか難しそうですね?


君たちのお母さんやお父さんは、君たちがより良く眠れるようにと考えて、寝室や寝具という道具を用意しているんですよ。

それでは、眠らなかったら、どうなりますか?

きっと、頭が「ぼー」としますね、 さっと動けなくなり、運動神経が悪くなるかもしれませんね。

「綺麗だな」とか「いい匂いだな」と感じる力も落ちるでしょう。 記憶力も落ちます。

そのため、ベストコンディションで無いと感じるでしょう。 急に寝てしまって、事故になるかもしれません。 勉強もはかどりませんね。 疲れやストレスもたまりますし怒りっぽくなるかもしれません。

また、睡眠不足は身体の免疫力を落とし、細菌に感染しやすく、病気にかかりやすくなることも判ってきています。

どうも、睡眠は、日中の活動や健康の為にとても大切な事のようですね。

西洋(主に、アメリカやヨーロッパ)では睡眠は日本に比べてさらに大切なものとして扱われています。

たとえば、家を作るときには、間取りといって部屋の大きさや位置を考えますが、 「寝室をどこに作るか?」は外国では、一番に考えるといわれています。

先ほどの「よく眠れる」場所を選ぶのです。 一番落ち着けて、安心でき、寒くなく、ベッドを置くのに十分な広さの部屋を作ろうと考えるのです。

また、私が作ろうとしているベッドばかり売っている店(ベッド専門店)もたくさんあって、みんな寝てみて寝心地を確かめながら買い物をしているんですよ。

日本と比べて寝室や寝具にずいぶん気を使っているようです。

これは、「眠る」ということが健康の基礎であり、家族にとって、健康とは何よりも重要なものであるとみんなが考えているからです。

皆さんのお母さんやお父さんは、食事のとき、「好き嫌いなく何でも食べなさい」と君たちの健康や成長のことを考えて、言うとおもいますが、 私が知り合ったアメリカ人(20才ぐらい)はそれと同じように、お母さんがベッドやマットレス(ベッドの上のスプリングの部分)の事で、ずいぶんうるさかった。と言っていました。
つまりお尻が落ち込んだようなマットは健康や成長の為に良くないというわけです。


外国では、食事や運動と同じくらいに睡眠もみんなの成長に関して、大切だと考えているわけです。

皆さんはこれから6時間、「眠り」について勉強すると聞いていますが、眠ることは大変大切なことで、また、不思議で、判らないこともまだまだ多い事なのです。

みんなも毎日寝ていると思いますので、とても身近なこと、大切なこととして考えてもらえたらと思います。

それでは、私の話を終わります。先生お願いします。


身体をまっすぐに伸ばせないようなところではどうでしょう。よく眠る為には広さも大切かもしれませんね。


たとえば、とても寒いところで、布団も無く寝るとどうなりますか?
眠りにくいし、風邪を引くかもしれません。ですから、眠るときには、適度な暖かさが必要ですね。



その時は夢中で書いた原稿なのですが(時間が押し迫っていたので) あとで読み返してみると子供たちに理解してもらうために、分かりやすく書いた原稿が、 私たちの仕事の本質ではないか?と感じられ、 「良い眠りを提供できる店を作る」という初心を思い出させてくれるものになったのです。

授業の翌日、海外への出張がありまして、授業後の子供たちの質問に十分答える人的な準備が出来ずに出かけてしまった事が残念でした。

お店まで質問に来た子供たち、ごめんなさい。 また、この様なことでお手伝いできることがあったら、 出来る限りご協力したいと思いますので、また声をかけてくださいね。






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