EUスタイルはいかが?

ヨーロッパとアメリカのホテルに何回か泊まってみて、少しずつその違いが判ってくる事がありました。 その一つが、ヨーロッパ(フランス、ドイツなど)とアメリカのホテルのベッドの配置です。


【ボックススプリングとマットレスを合わせた形をなんと呼ぶ?】

アメリカの典型的なツインベッドルーム
ロートレックの絵 
このポスターって浮世絵に似てますね

日本ではホテルのツインベッドルームというと、セミダブルぐらいのボックススプリングタイプのベッドが2台あり、真ん中にナイトテーブルをイメージされる方がほとんどだと思います。ボックススプリングとは、アメリカにおけるベッドの下台の呼び名で、マットレスと同じような箱形の形状で、中にバネが入っていて脚が付いているものです。アジアではDIVANと呼ばれています。


ロートレックの絵の中に「Le Divan Japonais」と題字が大きく書かれた絵がありますが、このDIVANはスプリングの入ったソファーのような物の意味だと聞いたことがあります。このキャバレーのイスでしょうか?


それから、日本ではマットレス+ボックススプリングを組み合わせたベッドの呼び名がいくつかあり、ダブルスプリングとかダブルクッションと呼ばれています。 アメリカ、ニューヨークのベッド専門店で「ボックススプリングとマットレスとを合わせた形をなんと呼ぶか?」と質問しましたが、その形はアメリカでは当たり前すぎたのか、出てきませんでした。どうも一言でのポピュラーな呼び名は無いようです。ただ、アメリカのベッド専門店のチラシなどを見ると「ベッドセット」と書かれていたりします。


【日本のダブルに匹敵する137cmにアメリカ人は1人で寝る】

シャトーベルモント
フランス、トゥールにあるフレンチレストラン、ジャンバルディ
(オーベルジュ)の宿泊部門、
15室ほどの部屋は2つとして同じインテリアが無く、とてもきれい。
パリ、リッツホテル、ヨーロッパの邸宅のようなホテル。
泊まると地下のプールが無料ですが、扉が多くて迷ってしまいます。
 

アメリカのホテルでツインの部屋に泊まると、ほとんどのホテルが日本のダブルサイズ以上の広さのベッドが2台置いてあります。(YMCAとかは除く)

「うわー、立派な部屋を用意してくれた、チップをはずもうか」と思う必要はありません。アメリカでは日本のダブルサイズに匹敵する137cmが1人で寝る普通のサイズなのです。

このサイズをフルサイズといいます。この広さがあれば、寝返りが十分に打てますね、(アメリカでもっとも販売数の多いサイズはこのフルサイズです、セミダブルに匹敵するサイズはありません。ちなみに日本ではシングルサイズが最も売れています。)

アメリカのホテルではツインの部屋の場合、このフルサイズ以上のベッドがナイトテーブルをはさむ形で置いてあります。(日本の配置とおなじです)


 

さて、海を越えてヨーロッパに行きますと、ホテルのツインルームは日本でいうシングルサイズ(幅、約1m)をくっつけた置き方をしている所が多くなります。

1台のベッドは幅1mで、それを2台並べて置くのです、掛け布団は2枚、ナイトテーブルは普通左右に1台ずつ置いています。


【睡眠にこだわり始めると次第に広いベッドを求め始める】

パリ、ムーリス 第2次世界大戦でパリが陥落した時、ドイツ軍が
本部を置いた最高級ホテル。
ラッツケラー ドイツの16世紀に作られたホテル。ラッツって
ネズミという事ならネズミ屋敷と言う名でしょうか?

日本ではホテルのベッドの配置がアメリカスタイルなので、そのベッドの置き方に日本人は慣れています。寝室をホテルのようにデザインし、2台のベッドの真ん中にナイトテーブルを置いている部屋を雑誌等でも見ることがあります。

しかし、このナイトテーブルをベッドの間に置くアメリカスタイルはベッド1台がフルサイズ以上あるアメリカだから広さが十分なのです。日本の住宅事情を考えますと、この置き方(ダブルサイズor147cmフルサイズ2台)は、なかなか難しいと思います。十分な広さの寝室を持たれている方はOKですが、現在日本ではご夫婦の場合、ダブルサイズ1台でお休みになっている方が一番多いのが現状です。

その一方、日本でも近年特に「眠り、睡眠」にこだわりを持たれている方が増えています。広さも寝心地の重要な要素なので、睡眠にこだわり始めると次第に広いベッドを求める傾向があるのです。


【提案!ヨーロッパのホテルをお手本につくるジャパニーズベッドルーム】

ドイツ、ハノーバー空港のMARITIMホテル。近代的でシンプル、
ビジネスに便利なホテルです。
当社のJN-34シリーズは2台並べると綺麗ですが、3台並べると
もっと綺麗。

そう考えると、日本の場合、アメリカスタイルのツインの配置ではなくヨーロッパのホテルの配置が良いのではないかと思うのです。

つまり、シングルやセミダブルを2台くっつけるのです。そのサイズはクイーンサイズより大きくキングサイズ以上になりますので、はるかに寝返りが打ちやすく、リラックスした眠りが取れると思います。

そして日本においてシングル、セミダブルサイズはベッド用品も豊富です。何度かヨーロッパのホテルに泊まっているうちに、「アメリカのようには部屋が広くない日本において、次に提案すべきベッドルーム配置はこれだ」と確信し、それならば、ならべて使うタイプで、機能的で美しいベッドフレームを作れないか?と力不相応にデザインから商品開発したフレームがJN-34シリーズなのです。










★よろしければこちらもどうぞ

日本に本格的ベッド専門店を作りたい!の巻
アメリカのベッド専門店は誰もが当たり前のように寝てみて選ぶわけですが、 それだけでなくとにかく安い!…
昼間のベッドの使い方ターンダウンって知っていますか?
日中のベッドについては解決策が乏しく、昼間、ずいぶん邪魔なように思われていますが、海外では昼間も積極的に使われて…
ダニ退治の有効な手段 60℃のお湯で寝具が洗える!?ヨーロッパのダニ退治の巻
ダニが引き起こす病気には、アレルギー性喘息、鼻炎などがあり、子供たちのアトピーもダニアレルギーやハウスダストが影響している…
フランスの感動色彩コーディネーションフランスの色・形 フランスの普通と日本の普通は違う!?
たとえばパリの布地屋さんなどに行くと、柄の付いた布や、織り方の違う布の組み合わせによって、素晴らしいハーモニーが生まれ…
クアラルンプールに行く理由 世界有数のゴムの産地・マレーシアはクアラルンプールから
先月(08年8月下旬)マレーシアのKL(クアラルンプール)にラテックスマットレスの試作品チェックに行ってきました…
懐かしい土地の再訪 インド綿との出会い
【NEW!】今回、シーツを作るためインドに出かけたのですが、私にとってインドは懐かしい土地の再訪でした。…
いいベッドを体感するためにいいホテルに泊まるぞの巻
今回は比較的HOTなホテルとして、2006年2月に泊まって、寝心地で驚いたニューヨークリッツカールトンセントラルパークをご紹介…
食事や運動と同じく睡眠も成長に大切な要素です
研究授業「睡眠について」に参加しました
子供たちに理解してもらうために、分かりやすく書いた原稿が、 私たちの仕事の本質ではないか?…
欧米のベッドルームはどうなってるの!?EUスタイルはいかが?ヨーロッパ一流ホテルのベッドを写真で紹介!
ヨーロッパとアメリカのホテルに何回か泊まってみて、少しずつその違いが…
オーベルジュとカーニバル 美しいオーベルジュ、数世紀前のインテリア、そしてカーニバル 不思議の国に迷い込む
ボルドー空港に着いたのが2月29日。パリでは気温10度以下でコートを手放せなかったのですがフランスでもかなり南に来たボルドーは…
ニューヨークの忘れ物 「冬はつとめて」・・・何とも冬のNYの早朝の趣のある事!
息子の通うNYの高校では、この時期ペアレンツデーという催しが学校であり、今年も11月の後半に行ってきました…