ネムリエ社長のきまぐれコラム

クアラルンプールに行く理由


マレーシアゴム園
先月(08年8月下旬)マレーシアのKL(クアラルンプール)にラテックスマットレスの試作品チェックに行ってきました。

KLには今年5月にも行きまして、その時に工場担当者と話し合った新マットレスの試作品が出来上がりましたので今回見に行った訳です。 (いままでのラテックスマットレスとは一味違う構造と素材になっています)

ベッドを販売していてなぜ海外までわざわざ出掛けて行くか?と聞かれる事があります。確かに国産の商品で優れている商品もたくさんあります。

日本国内にいるとベッドの品ぞろえはいろいろ揃っていると考えられがちですが、ヨーロッパ・アメリカをはじめとしたベッド先進国をベッドという切り口で廻ってみると、日本とは全く違う商品や考え方に基づく商品にたくさん出会う事があるのです。

プライベートになりますが、ヨーロッパ・アメリカでのベッドやマットレスの視察は私のライフワークの一部と考えていまして、そのため長男をフランスの中学校、次男をアメリカの高校へ入学させ、いやでも(いやではないのですが)ヨーロッパ・アメリカのベッド専門店や工場に行くような生活設計を立てました。

フランスのベッド専門店

フランスのベッド専門店の売り場

フランスのベッド専門店のスタッフと共に

アメリカのベッド専門店

アメリカのベッド専門店の売り場

ドイツのベッド専門店

ドイツのベッド専門店の売り場

ドイツのデパートカールコフ寝具売り場



ディアモナ社社長と共に

そのようにして海外のマットレス文化に接するにつれ、国内で商品を仕入れて販売するだけではなく、できれば「海外にはあるが日本に無いような商品(あったらいいなという商品)を日本のお客様に直輸入して紹介」させていただいたり、「欧米で人気のある日本には無いような特長を持った商品を作り、国内のお客様に紹介したい」と思うようになっていったのです。

もちろん、お客様の意向に則した、国内で受け入れられる事が前提なのですが、歴史のある欧米の考え方(体圧分散や寝姿勢に関するアプローチ等)や新素材(コンフォートフォーム・リボンドラテックス等)という国内ではなかなかお届けしにくい技術や味付けもできる限り扱っていきたいと考えています。

(今回のマレーシアも天然ラテックスの産地で、日本では手に入りにくい素材もあるのです)

当社は本来とても商品の開発や直輸入を手掛けられる規模ではないのですが、私のこだわり(上記したような考え)で単独海外に出かけてはへたな英語で理念を語り、優良工場と取引関係を結びながら、力不相応にも商品を輸入・開発しています。

そして、私の場合はお客様に代わって海外に出向くというスタンスですから、第一に商品の品質に十分注意を払う事、その上で、できる限りお客様が喜ばれる価格で他社にない機能や良い寝心地をお届けできれば、という気持ちで海外に出かけて行きます。



ドイツ・ディアモナ社の近く

すっきりとした飾り付けでおもてなしを
受けます
ディアモナの商談用テーブル

ディアモナの説明用備品

ドイツ・ディアモナ工場内のショールーム

ドイツのデパート カールシュタット・ベッド売場内のディアモナコーナー



上:工場内 生産直後のウレタンフォーム
下:マンゴスチン

ということで、今回はマレーシアに行った時のお話です。

日本からマレーシアに到着し、1日目、2日目でマットレス工場を訪問しました。サンプルは予想以上の出来でまずはひと安心です。

3日目は、プトラジャヤというKLの中心部から車で40分ほど走った所にあるボタニカルガーデンという植物園で「ゴムの製造工程が見られる」という話を聞いていたので伺う事にしました。

ご存じのようにラテックスマットレスのラテックスとはゴムの事で、当社で販売している商品の原材料ですから「これはぜひ見たい!」と早朝から車を走らせた訳です。

プトラジャヤはマレーシアの官庁街で、緑の丘陵地帯や湖のある地域に建物が点在しているとても美しい計画都市です。この一角に新しく植物園ができているのです。

ドリアン・マンゴスチン・マンゴー・ジャックフルーツ・スターフルーツなど熱帯でしか見られない珍しい多くの植物が手を伸ばせば触れるような状態で、しかも果物が木になっている様子を見る事ができます。(いくらおいしそうでも取ってはいけません)

植物園の丘陵地帯を歩いて行くと(一種のエコツアーのようです)小高い丘なので、プトラジャヤの計画都市がきれいに見渡せます。植物園の奥の方がゴムの木の林になっていて、そこでゴムの製造工程の実演を見せていただきました。


成長したゴムの木の幹に特別な刃物で 傷を付けます。

そこから染み出してくる乳白色の樹液を幹に付けたポットで受けます。

その状態で2~3時間後にもう一度ゴムの森を廻り、溜まった樹液を回収するのです。 そのようにして集めた樹液をゴムにする工程ですが、まず、集めた樹液に酸性の薬剤を入れます、そうすると乳白色の液体が3-40分で固まってきて、きれいで柔らかい「とうふ」のようなものになります。


これを手で優しく押して1cm程に薄くし、次にローラーに入れ3-4度絞ります。最後にもう一度、刻みの入ったローラーに入れさらに薄く伸ばします。

出来上がったものは、
・・・うーん
「包丁切りまえのさぬきうどん」のようです。

もしもこれがうどんでしたら3mm程度に包丁切りし、しゅんしゅんに沸騰している大なべに入れます、鍋の中でゆであがったうどんを一度も冷やさず、そのままどんぶりに茹でた湯ごと移し、温かいままだしの効いたつゆにさっとつけ、ズズッーと・・・、

「やはり釜あげうどんは一味違う!!」・・・失礼しました、話を戻します。

ひらたくなったゴムを一度水にさらし、
薬剤を水で流します。

そして1日つるして水を切り、乾かした
物を今度はスモークハウスに入れ、4日
間ほどかけて燻製にするのです。

スモークハウスの裏側にはマキを
くべる場所があり中の温度は60度ほどで、
出てきたラテックスは濃い色になります。




このようにして作られるラバーは純度99%で天然のゴムです。

昔はこの作業はマレーシアの多くの地域で行われていて、ガイドのジャクソンさん曰く「子供の頃、僕もやったし、みんなこの作業の手伝いをした記憶があると思うよ」との事でした。

現在工場では機械化されてラテックスマットレスの生産が行われています。

樹液に気泡を入れ(ある取引先ではドイツのとても細かな気泡を作れる機械を採用していました)それをマットレスの型に流し込み、熱を加えながら膨らませ液体を固形化しています。これらも原材料は同じで木の樹液です。

ラテックスマットレスは100%自然素材を使用したエコでナチュラルなマットレスである事が植物園に行きよりはっきりし、「土に埋めておくと土に戻る」と言われるラテックスマットレスの特徴もなるほど納得できました。

当社ではラテックスのようなばねを使わないマットレスを便宜上まとめて「フォームマットレス」と呼んでいます。

(正確にはドイツではラテックスフォームを「ラテックスマットレス」その他の、低反発フォーム・コンフォートフォーム・コールドフォーム等をまとめて「フォームマットレス」と呼ぶのですが、当社では分類上まとめてフォームマットと呼んでいる訳です)

ラテックスマットレスなどのフォームマットレスの本場はヨーロッパで、ドイツ・フランスではすでに40%の方がフォームマットを使用されています。ちなみに、ベッドフレームは床板の部分にウッドスプリングを使うのが普通です。

フォームマットの人気が出るまではヨーロッパでもポケットコイルなどばねのマットレスが人気でしたが、現在では価格の高い商品になればなるほどフォームマットの比率が高くて、高級品を多く売るデパートやベッド専門店では、売り場のほとんどがフォームマットレスになっています。

そのためドイツ人のフォームマットのイメージは「値段の高い寝心地のいいマットレス」というものです。近い将来、日本でもフォームマットでお休みになられる方がもっと増えるかもしれません。

今回のマレーシアでの商品開発は「ヨーロッパで人気のフォームマットの寝心地を日本で比較的お手頃価格でお届けしたい」という考えで行っています。

出来上がったらまたWEBページで紹介しますので見てくださいね。




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